てっきりフィルハーモニーのホールでの練習と思っていた私たちにとっては、シュターツオーパーの練習場でラッキーでした。なぜなら近くで生ブーレーズが!
彼の指揮は、よく言われるようにとても明快で、オケへの指示もとてもわかりやすいものでした(もちろんドイツ語)。御年80さいを超える彼からは、何というか神々しいオーラが出ており、前衛作曲家としての「怒れる職人」のイメージは、カケラもありません。それが音楽に反映されており、CDでの印象以上に自由で、美しい演奏でした。
この日のリハはマーラーの交響曲3,4,6番。彼はあたかも曲を編集するように、まず6番の4楽章→3番3楽章以降(休憩)4番1楽章と、どんどん飛びます。重要な場所を押さえてくれて見学者にもうれしい選曲でした(オケは翻弄されてましたが)。ちょうど座ったのが打楽器の横だったので、例のハンマーの意味を、文字通り痛感できました。
(ピエールを探せ!→)
さて、昼食休憩後はどんな人でもダレるもの。この日も例外でなくて、4番は何となくだらしのない感じで始まりました。そんな中、白髪の白いシャツを着た一人の男が後ろの扉からすーっと‥音楽監督のバレンボイムでした。それを察知したオケは突然人が変わったように「ぴりっ!」。練習場には5分ほどしかいませんでしたが、生徒がちゃんと自習しているか見回りにきた怖い先生といった感じ。百戦錬磨のオケメンバーを黙らせてしまうあの威圧感は只者ではない。
桐朋時代の先輩との再会や、アカデミー生として頑張っている同じ九州人ともお話することができて、とても貴重な一日でした。しかも食堂でマラーホフ見れたし‥(ミーハー)。