とてもよかったSonja & Andrijaの修了+進級試験の前後、ベルリンにて練習+レッスン‥といっても今回はピアノ・デュオではなくて、いったいどうしてこんなことになったのか、ヴァイオリンとチェロのデュオの伴奏。曲はブラームス「二重協奏曲」。この曲はあまり好きでなかったのだけど、ピアノパートが作曲者自編だったこともあって引き受けてみた。
で、どうか、といえば、これがあまりよくない。
ソリスト2人は自分と年も近くて人間的にも円満(しかも2人とも既婚者)という、大変やりやすいいい雰囲気なのだけど、いざ演奏しだすと「?」。今回はチェロの子の試験なのだが、その子の演奏が
(‥中略‥)
まあそういうわけで、フラストレーションがたまる一方なのだが、これがいろいろ考えさせられる。まず、演奏には厳然と「間違っている」というものがあるということ。コンタルスキー氏の影響だが、やはりまず楽譜を正しく、ということは基本の基本である。そこができていないで「表現」をつけようなんて、ちゃんちゃらおかしい。泥土の上に高層ビルをたてるようなもので、ちょっとゆれたらポシャン、である。
しかも、はじめは「☆」だったのが、直され続けて「○」ならまだいいが「。」になってしまう。やはりソリストは作品に対してしっかりした意思がなくては。しかしそれは楽譜に基づくこと。「誰かが(CDで)こう弾いてたから」なんてのは、ブー。
また、正直伴奏が、つまらない。
それが「アンサンブル」であればまあよいし、例えば歌の伴奏は本当に素晴らしい分野だと思う。でもソリストにただ「合わせる」、しかもオケパートをピアノで弾くというのは‥ピアノ・デュオって本当にいいなあ、と思ってしまった。異種楽器間ではできない「緻密なこと」ができるなあと。
うーん。久々にドイツ人と演奏するというのもあって期待しすぎてたかな。
コンタルスキー氏もこう言う。「今はもう「ドイツ音楽」「フランス音楽」なんてものはなく、音楽は国際的だ」。はるかヨーロッパから離れた日本人にとっては慰められる話だが、さみしい気もする。
さて、ここまで言っておいて何ですが、本番は22日20時よりKammermusiksaalです。