‥と、M先生オペラ初演時のような怒号は響かなかったものの、今回の打楽器作品は残念ながらうまくいきませんでした。奏者のKee Guanはよい演奏(ベストではなかったけれど)をしたものの、彼のような素晴らしい奏者でも、鉄を金に変えるような「術」はできません。やはり奏者の能力を引き出すのは作品‥というわけで、反省反省。とてもいい勉強になって、こんな機会をもらったことに本当に感謝しています。
(ブレブレでわからないけど、キーガン演奏中)
打楽器ソロの陥りやすい現象としては「楽器展示会」、つまりいろんな楽器がただ羅列しているような感じ‥今回の曲も、気をつけたはずなのにそういう印象。打楽器作品は特に、鳴っている音以外の要素(例えば動作など)がとても重要で、そこまで考慮にいれた作曲が求められる。楽器の移り変わりやバチの持ち替えごとに気まずい空気が流れてしまった。
また、今回の演奏会では新曲は自分のだけだった(他はラッヘンマン、フェルドマン、武満など)。すばらしい作曲家たちの作品たちに囲まれて、自分の甘さがくっきりと露呈された。これまではお仲間の演奏会という感じで、あまり厳しい中ではなかったなあと。正直な感想は、ただただ恥ずかしいという感じ。
では、もう書きたくないのかというと全く逆で、すぐにでも次作をはじめるつもり。書き続けないことには進歩もないし、今回の経験も生かせない。いずれもっとマシな曲を書いて、もう一度キーガンに弾いてもらおう。