5月21日より一週間、ここメクレンブルク・フォアポンメルン州において「ブリュッケ」現代音楽フェスティバルが行われ、その一環としてロストックとシュヴェリンにて「アンサンブル・ルシェルシュ」の演奏会がありました。
「ルシェルシュ」はヨーロッパ屈指の現代曲アンサンブルで、フライブルクを本拠に活動しています(フライブルクといえばドイツの南西の端‥ロストックという北東の果てまではるばるありがとう!)。

まず23日のロストックの演奏会に出かけたところ‥客がいない!
ロストックが現代音楽に「おさむい」土地なのはわかっていましたが、それにしてもひどい。数百人は入る音大のホールに、ひいふうみい‥20人ほどでしょうか。しかし、その中には今回コンポーザー・イン・レジデンスとして招待されているマウリツィオ・カーゲル氏のお姿も。
ちなみにカーゲル氏は前年のARDコンクールデュオ部門のすばらしい新曲課題曲を書いて、ピアノデュオの人たちにもおなじみ。トリビアの泉でも紹介されて、一般の人にもおなじみ?劇場作曲家、ちょっとギャグっぽい、という彼のイメージですが、本当によい作曲家だなあと今回改めて感じました。
さて演奏ですが、ともかくすごかった。緻密なアンサンブルとくっきりした表現、日本にも現代専門アンサンブルはありますがまるで話が違います。静かな曲が多かったのですが、演奏の緊張感によって全く飽きることなく集中して聴けました。約半分を占めたカーゲル作品は、演奏家の壮演もあり、本当に爆笑ものでした。オノと丸太が出てきたときにはどうしようかと‥一番受けていたのは作曲者自身でしたけど。
ともかく本当に素晴らしかったので、翌日はシュヴェリン(州都)へ電車で1時間かけて行きました。こちらも前日とかわらずすばらしい内容‥と少ないお客でした。(写真は会場のシュヴェリン城)
ensemble recherche
一般の人たちがこの演奏会に興味がないのはわかりますが、少なくとも音大の学生は行くべきでした。現代音楽の好き嫌い関係無しに、ロストックで行われる「数少ない」本当のプロの演奏ですし、学生の演奏会に100回行っても得られないものがあります。彼らを呼ぶために○○ユーロかけたそうですが、それならもっとちゃんと宣伝すればよかったのに‥。
もう一人のコンポーザーインレジデンス、サンドストレーム氏については相方に報告をお願いしましょう。こちらもいい作曲家で、日本では特に合唱曲が著名だそうです。