今年度の桐朋・分析授業のテーマは「五重奏曲」。シューマン、ブラームスのピアノ五重奏曲を中心に、大好きなドヴォルザークのピアノ五重奏曲、そしてブラームスのクラリネット五重奏曲まで、学生たちの演奏と私のつっこみで構成。シューマン以外は全て初めて取り上げる曲で、何でこのあわただしい一年にこんなに詰め込んだんだー、とシラバスを書いた昨年の自分を恨みつつ、たくさん勉強しました。
ブラームスの作品34は2台ピアノ版をピアノ五重奏版と同時進行で。「2台ピアノ版のほうがよいと思った」という弦楽器科学生の感想に喜ぶ私。もちろんピアノ五重奏版は素晴らしいけれど、2台ピアノのためのソナタ、やっぱりいい!自分でもまた弾きたい。
そして冬にブラームスの後期作品、特にクラリネット五重奏曲に向きあえたのは本当に沁みた。読めば読むほど様々なことが織り込まれていることに気づき、気持ちもメッセージも尽きることがない。何よりクラリネットが好き。好きといえば、やっぱりドヴォルザークが好き。
そんな授業も(そして他の授業も)今日で全て終了。最終回は発表会と称して、みんなの演奏をみんなで聴く。プログラムだけでもご紹介:
ブラームス:ピアノ三重奏曲第1番 第1楽章
シューマン(ドビュッシー編曲):カノン形式による6つの練習曲 第2、3曲(2台ピアノ)
ブラームス:クラリネット五重奏曲 第2楽章
ブラームス:ピアノ三重奏曲第1番 第1楽章
ドヴォルザーク:ピアノ五重奏曲 第3楽章
ブルッフ:8つの小品 第2、6曲
図らずもいいコンサートになった、偶然のプログラム。桐朋ならではの熱いアンサンブル、贅沢だなあ!1年生から院生・ディプロマ生(+教員1名)まで、年齢・学年に関係なく一緒に演奏して、一緒に聴く素晴らしさ。音楽の前の平等と作品への感謝を感じた幸せなひとときでした。