国立音大の授業が今年度分終了(ピアノのレッスンはまだ続く)。4月から2台ピアノクラスに加えソルフェージュも見ることになり、はじめてのことで試行錯誤の1年でした。実技とは違う方向から学生を見るのはとても興味深く、わからなかったことがわかることもありました。くにたちのいいところ、そうでもないところ・・
学生たちには「今まで知らなかったことを恥じる必要はない、けれど、これからも知らないままでいることは恥ずかしいことだ!」というテーマで接しました。あまりに自分の狭い分野しか知らない・興味がない・やる気がない、というのはどの学校の学生にも言えますが、それを改めて痛感したところ。授業中思わず「シャイセ!」と叫び、「・・えー、この言葉の意味はドイツ語で~」とか落ち着いて説明するようなこともありましたよ。
といっても、私たち音楽を学ぼうという気持ちのある同士・同志、共感を持って進められました。4年生の子の「楽しい授業が大学にあるとは思わなかった」という喜んでいいのか微妙になる感想を伝えられました。ひとりひとり違う人。成績の順番とは関係なく、それぞれにある資質を伸ばすことができる土壌をはぐぐむ・その子を伸ばすのではなく、自ずと伸びる環境をつくるのが教員の役目かなと再認識・・なんて、何だかいい先生じゃん!シャイセとか言ってるのに。週18コマとかを抱え、意識が遠のきながら課題を弾いているときもあったのに。でも、もっとくにたちが好きになりました。
棄てた一粒の柿の種
生えるも生えぬも
甘いも渋いも
畑の土のよしあし
(寺田寅彦)