この時期のドイツは復活祭の休暇もあり、なんとなくノホホンと春らしい空気になっていたものだけれど、日本は年度末!新年度!と何かとせわしない。私たち2人も多分にもれなかったけれど、その新年度に突入するまさに前日、絶妙なタイミングで、とても大切なことを思い出させてもらえました。
2008年にフランクフルトで出会ったアンサンブル・モデルンのヘルマンさんが、日本にいらっしゃるのに合わせて私たちの演奏を聴きたいといってくださり、私たちはコンタルスキー先生に学んだツィンマーマンのパースペクティーヴェンⅠとブゾーニの対位法的幻想曲を演奏しました。
そして、とても濃い助言をたくさんいただきました。
彼は世界一の現代アンサンブルの奏者、現代作品の演奏に関する指摘は本当に「ハタ」と膝をうつものでしたが、それ以上に「これぞドイツの音楽」というものを、離独後半年を経てぼやけ気味の私たちのなかに、実に鮮やかに思い出させられました。一緒に聴いてくれた作曲家のY氏、K氏、そして(の)先生とともに、楽しく、充実した時間となりました。
その後もゲーテでのシンポジウム~他のメンバーも交えたお寿司などなど・・久々のドイツ語ずくし。聞きながらやっぱりいいなあと思いながら、散々なこちらの状態が申し訳なく、もったいなく、これからも外国語はちゃんとやっていこうと思いました。
そんな日々にザルツブルクよりひらりFAX。
コンタルスキー先生が編曲してくださった(そして私たちが初演した)レーガーのモーツァルト変奏曲がついに楽譜になったといううれしいお知らせ。大変厳しかったという今冬、そしてようやく春の兆しを迎えているとのこと、先生のタイプライターの文字を読みながら、この時期のもつうれしさとさびしさを感じました。