3月30日(日)11時より、ミュンヘン・レジデンツの
Allerheiligen-Hofkircheで行われる演奏会(
Odeon Konzert)に出演します。演奏会のテーマは「2台ピアノの室内楽」で、私たちはバルトークの「2台ピアノと打楽器のためのソナタ」を演奏します。近郊にお住まいの方はぜひ‥と思っていたら、何ともう売り切れだそうです。「この日は夏時間が始まる日なので、お越しの際は気をつけて‥」というネタ(?)まで用意していたのに。
musikerlebnis 2008年3月号
共演は
ペーター・ザードロ氏。彼は20歳でミュンヘン・フィル(チェリビダッケ!)の首席ティンパニ奏者となり、21歳でARDコンクールで第1位。またミュンヘンとザルツブルクで教授を務める現在を代表する打楽器奏者のひとりです。グロートホイゼン氏いわく「ベスト・パーカッショニスト」。放たれる膨大なエネルギー、その一方で大変繊細な耳と感性、しかも楽譜を(打楽器パートだけでなくピアノデュオパートも)熟知しています。厳しさと優しさが同居する、本当に魅力的な奏者であり、先生です。
彼と演奏していると本当に楽しく、しかもこの編成はここまで出来るのか!という「アンサンブル」ができます。ありがたいことに彼もとても楽しそうに見え、おほめのことばをかけていただいています(もちろん本番はこれから!)。ちなみに彼はこれまでこの曲を名だたる演奏家と共演しており、アルゲリッチ&フレイレ、ペキネル姉妹との演奏はCDにもなっています。バルトーク演奏にまつわるおもしろい話をいろいろ聞きましたが、書いていいのかわからん。
もう一人の打楽器は彼のお弟子さんのサナシス君(ギリシャ人)で、この作品を「1000回弾いた」ザードロ氏と、この曲にはこだわりのある(ただ単純に好きなだけですが)セオカトーの間で、今回バルトーク初挑戦のサナシス君‥しかも先生と一緒に演奏するので緊張してそう‥とはいえ、大変マジメで優秀な奏者。
この演奏会ではほかにシューマン「アンダンテと変奏曲」(5重奏版)が演奏されるのですが、当初私たちはそちらのはずでした(チェロはウェン・シン・ヤン氏!)。T&Gデュオのもとで学んだ曲、そして12月のリサイタルで弾いたばかりというのももちろんありました。しかし、バルトークはなかなか弾き手がいなかったようで(おそらくロストックならデュオ科の誰でも準備万端でしょうけど)、結局バルトークを担当することになりました。この企画、2年ほど前から決まっていたようで、それにしてもいいタイミングでミュンヘンに来たものだなあと思ってしまいます。
というわけで、日曜日は共演者たちのパワーに負けないくらい、いろいろ発散して(?)、楽しく演奏してきたいと思っています。ちなみに30日はバイエルン放送のラジオ放送もあり、セオの誕生日前の送別か何かかな。